ゼンオン社 ウクレレ・キットの作り方
(ネック部の組み立て・塗装)
11:ネック部の取り付け

 さて、いよいよネック部を本体に取り付けます。ヒール部分の穴にダボを埋め込み本体の穴とジョイントする様にします。ヒール部分にボンドをたくさん付け過ぎると接着した時にはみ出てくるのであまり付け過ぎない様にしましょう。はみ出たボンドは濡れ雑巾などで手早く拭き取っておきます。

 接着するまでは写真の様に指板部分と本体表部分が平らになる様にうつ伏せにしておきます。ネック部の接着時に歪まない様に本体底部とヘッドの山型部分が一直線になるように気を付けましょう。
 ネック部を本体に取り付けるとヒールの先端が裏板面より飛び出ます。

※ネック部を真直ぐに接着しないと弦を張った時にサウンド・ホールの中央に来なくなってしまう。

 ヒール部の先端を削り落として裏板と一体になるようにします。
12:指板の取り付け

 指板を取り付ける前に、先に下駒の位置決めをしておきます。下駒は指板上部のナットから12フレットまでの距離と12フレット目からブリッジまでの距離が同じになるようにして下駒の取り付け位置を決めておきます。基準は本体上部の端に指板の12フレット目がくる様にします。

※ネックが真直ぐ本体に取り付けられていれば指板はサウンド・ホールの中央を通るハズ。

 ネック部に指板を接着します。事前に下駒までの距離を計った時と同様に、本体の上部端に12フレット目が来る様に合わせます。

 指板の縦中央にボンドを少なめに塗り接着します。キットに付属の輪ゴムでしっかりと固定します。この時ボンドがたくさん塗ってあると滑って位置がずれてしまう事があります。
 クランプなどを使って固定すればネックと指板が隙間なくピッタリと接着する事が出来ます。
13:上駒と下駒の取り付け

 指板を接着する前に位置決めしておいた部分に下駒を取り付けます。表板にボンドがはみ出て汚れない様に下駒の周囲にマスキング・テープで覆っておきます。
 ボンドを塗って接着したらボンドが固まらない内にネジで固定します。はみ出たボンドを軽く拭き取ってからマスキング・テープを剥がします。上駒も指板の端に合わせて接着します。

※下駒を取り付ける時も斜めにならない様に注意。

14:組み立て完了

 こんな感じになりました。あとは糸巻き(ペグ)を取り付ければすぐに弾くことが出来ます。
15:塗装

 塗装に使う塗料は下地塗り用のサイディング・シーラー水性着色ニスだけ。濃い色にしたければステインなどで着色してもいい。あとは幅の広めのハケと部分塗り用の小さめのハケ、マスキング・テープも幅の広い物と細い物があると便利。塗装に入る前にウクレレ全体にキットに付属の240番のサンド・ペーパーを掛けてならしておきます。

※240番でも表面に細かなキズが残るので、出来ればその後に400番程度を掛けると良い。

 指板には塗料が付かない様に幅広のマスキングしておきます。これならイッパツでマスキング出来るのです。
 最初に下地用のサイディング・シーラーを全体に塗り、乾いたら240番のサンド・ペーパーで磨く。これを2、3回繰り替えします。

※サイディング・シーラーを塗る場合、一度に厚塗りせず薄く塗り重ねること。

 サイディング・シーラーを塗り終わったら次に水性着色ニスを塗ります。
 今回は明るめのライト・オークを塗ることにしました。最初は色が薄くても徐々に塗り重ねることで濃くなっていきます。
 水性ニスなので濃度が濃くなって塗りにくくなったら水で薄めればOK。厚塗りすると垂れたりダマになるので薄めに素早く塗るのがコツ。

 下駒のネジ穴は加工した際に削り取った時の下駒の一部を使って穴埋めした。こうすることで違和感のあるネジ穴を目立たなくすることが出来ました。

 乾いたら400番のサンド・ペーパーで磨いてハケむらや塗料のツブツブを取る様に全体をならします。

 塗っては乾かしサンド・ペーパーで磨く、これを3回程くり返して塗装は完了。

 塗料が完全に乾いてから再び400番で軽く全体を磨きます。

 仕上げには800番の水ペーパーを掛け、最後に1200番の水ペーパーを掛けると半光沢状態になります。光沢仕上げにしたければさらに極細のコンパウンドをかければツヤが出てほとんど市販のものと同様になります。

※サンド・ペーパーを掛ける時ははじめは番手の低いもの(粗目)から徐々に高いもの(細目)のもので磨くこと。

 後は糸巻き(ペグ)を取り付ければこれで完成。
 このライト・オークの着色ニスはわりと明るめの色なので、マホガニーの木目が活かされて本体は何となくコアっぽい風合いに仕上がりました。
 ネック部はメープル材なのでマホガニーよりも材質自体が白いので、ライト・オークではやや黄色くなって少し安っぽい感じなるので、手間は掛かりますがネックはもう少し濃い目のもので別塗りした方がより高級感が出るかも知れません。

 ヘッドの付けるロゴ・マークを作りました。
デカール・シートにアルプスのMD-5000を使ってフラッシュ・ゴールドでプリント。このフラッシュ・ゴールドはまさに金箔を張り付けた感じになるのでVERY GOOD!インクジェットではこうは行きません。
 解像度は600dpi、金色だけだとシマリがないので回りに黒で20pixcelのフチを付けました。

 デカール・シートはプラモデルで使う転写マーク用のシートで、必要な部分を切り抜き水に浸して張り付けることが出来ます。
 ヘッドにロゴを張り付けて完成。張り付ける時のコツは、なるべく少なく余白部分をカットすること。あとは水に浸してはがれた印刷部分を貼るだけです。ヘッドにロゴが入ると手作りと言えど、かなりそれらしくなりました。
 デカール・シートはプラモデル屋さんで3枚入り¥600位で売っています。


 今回は土日の休日だけ利用して製作したので一ヶ月程掛かってしまったが、塗装に手間を掛けなければ3〜4日程で作れるでしょう。
 部屋の壁に吊るしておけばちょっとしたインテリアにもなります。(?)
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